- アバストという企業は信頼できる?
- 無料のウイルス対策ソフトは、性能的に安心できる?
- アバストの口コミや評価を知りたい
ウイルス対策ソフトを導入する意味は、生活に欠かせないインターネットを通して、
- ウイルスからの感染防止
- フィッシングサイトの警告
- 各アカウントのユーザーやパスワードの流出防止
- 脆弱性があるネットワークへの接続防止
など、サイバー攻撃から自身のパソコンや個人情報を守るために必要なソフトです。
安心してインターネットサービスを利用するために、保険として導入する意味合いが強いソフト。
そんなウイルス対策ソフトが、ずっと無料で使えるプランがあるアバストについて。
この記事では、ウイルス対策ソフトが永久無料で使えるアバストは本当に安全なのか?を解説しています。
どういった人に向いているのか。どういったシチュエーションなら有効かも合わせて紹介。
アバストという企業の信頼性について
そもそもアバストという企業はご存じでしょうか?
アバストの企業について
1991年4月に設立され、チェコ共和国の首都プラハに本社がある企業です。
ウイルス対策ソフトの開発を専門としており、プラハ証券取引所とロンドン証券取引所に上場しています。
2016年7月には、同じくチェコで無料のウイルス対策ソフト(AVG シリーズ)を開発している、AVG Technologies社を約1,310億円で買収しています。
この買収の経緯もあり、現在では世界中にいるユーザー数は4 億 3,500 万人以上ともいわれています。
アバストの世界シェア
ウイルス対策ソフトですが、商品別の世界シェアは、
1位:17.8% Microsoft Security Essentials 【無料】
OPSWAT 2015年の公開データより
2位:17.6% avast! Free Antivirus 【無料】
3位: 5.9% Avira Free Antivirus 【無料】
4位: 5.0% AVG Anti-Virus Free Edition 【無料】
5位: 3.6% McAfee VirusScan 【有料】
5位: 3.6% Symantec Endpoint Protection 【有料】
7位: 2.4% Norton 360 【有料】
8位: 2.2% Kaspersky Internet Security 【有料】
となっています。
メーカー別でみると、
1位:21.4% avast!
OPSWAT 2015年の公開データより
2位:19.4% Microsoft
3位: 8.6% AVG
4位: 7.4% Avira
5位: 7.1% Symantec
6位: 6.2% McAfee
7位: 4.2% ESET
8位: 3.5% Kaspersky Lab
となり、アバストと買収したAVGを合わせると、
- 商品別の世界シェア:1位 22.6%
- メーカー別の世界シェア:1位 30.0%
と、ダントツで世界1位のシェアを確立しています。
※現時点のシェア率が不明でしたので、2015年時点のシェア率を出しています。
ただし、ユーザーの行動履歴を復元できてしまう形で売買していた?
そんなアバストですが2019年末に、利用者の匿名化されたデータを他企業に販売していたことが話題となりました。
サービス向上のため、自社ユーザーの行動履歴や操作状況のデータ収集。さらにその統計データ(いわゆるビックデータ)を第三者に提供するのは、情報化社会の昨今では当たり前で違法でもありません。
もちろん利用規約にそったうえ、匿名化されたデータでのやりとりは、他企業でもビジネスとして行っています。
そのため、ユーザーの同意のうえデータを収集し、それを個人が特定できないかたちで第三者の企業に販売していた事実は、アバストも否定していません。
なぜ問題として上がったかというと、
- 匿名化した行動データが、実は復元できユーザーを特定可能なのでは?
- ユーザーに対して説明不足(データをどのように収集し、どのように活用しているのか)
といった論点です。
これに対してアバストは、
「弊社が個人を特定できる情報を第三者に販売した事実は一切ございません」「アバスト製品の利用に際し、ユーザーの皆様は常にデータ共有を許可、または拒否することができます。プライバシー設定は、[メニュー]→[設定]→[個人のプライバシー]で、いつでも変更することが可能です。
と声明を出しています。
アバストは、データ収集しない設定もできるよ。と言っています。
例えば Google や Microsoft でも、行動履歴を取得してサービス向上に役立てていい?という設定がありますよね。
今や、どの企業でも当たり前にやっている設定です。
結果として、この騒動をふまえアバストは、他のIT企業より厳しいプライバシーポリシーを策定しました。
さらに、ユーザーへの周知徹底が足りていなかったことを認め、ユーザーに少しでも疑念を持たれないような取り組みの改善を図っていると説明しています。
バッシングを浴びて信頼を失ったため、プライバシー基準を見直したうえ、統計データ売買の事業も閉鎖したとのことで、企業のありかたを見直すいいきっかけになったのではないでしょうか。
アバストは信頼できる
そんな話題もありましたが、アバストという企業は、世界シェアNo.1 という実績もあるため、企業的にも信頼していいでしょう。
世界の総人口は約76 憶人ですが、そのうち4 億 3,500 万人以上が使っているとなると、5.72 % の人がアバストを使っている計算です。
そう考えると、圧倒的なシェア率ですね。
アバストのウイルス対策ソフトの内容
アバストは、4種類のプラン構成となっています。
機能については、値段によって徐々に増えていきます。
アバストのプランごとの機能
機能 | 無料アンチウイルス | プレミアム セキュリティ シングルデバイス用 | プレミアム セキュリティ マルチデバイス用 | アルティメット |
---|---|---|---|---|
金額 | 永久に無料 | 5,480円 /年 | 7,480円 /年 | 9,080円 /年 |
ウイルスやその他のマルウェアを リアルタイムで検出・ブロック | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi の脆弱性を検出 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ランサムウェアに対する暗号化防止 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
偽サイトを回避し、 パスワードや銀行情報の漏えい防止 | 〇 | 〇 | 〇 | |
疑わしいアプリを事前チェック | 〇 | 〇 | 〇 | |
高度なファイアウォールで PC 潜入をブロック | 〇 | 〇 | 〇 | |
ウェブカメラのぞき見を阻止 | 〇 | 〇 | 〇 | |
機密性ファイルの完全削除 | 〇 | 〇 | 〇 | |
他アプリの自動的アップデート | 〇 | 〇 | 〇 | |
ハッカーによる PC 乗っ取り阻止 | 〇 | 〇 | 〇 | |
最大10台のデバイスで利用 | 〇 | |||
アバスト クリーンアップ プレミアム付き | 〇 | |||
アバスト セキュアライン VPN 付き | 〇 |
やはり一番の魅力は、永久に無料で使える「無料アンチウイルス」プランがあることです。
無料プランは、ウイルス対策ソフトに一番求められる、「ウイルスやその他のマルウェアをリアルタイムで検出・ブロック」する機能がメインとなり、それ以外のオプション機能は付いていない状況です。
ただ、有料版の機能・値段を考えると、日本で一番売れている「ウイルスバスター」などの方が安く入手できるため、魅力が半減します。
アバストを利用するなら、必要最低限な機能しかないけど「無料アンチウイルス」がオススメです。
アバストのウイルス対策ソフトとしての評価
では「無料アンチウイルス」の性能はどうなのでしょうか?
結論は、無料版だからといって全く無能ということはなく、第三者評価機関からの評価も高く、むしろ保護率は高いといえます。
第三者評価機関:AV-Comparativesの評価
AV-Comparatives からの評価を解説します。
無料版とはいえ、ウイルス対策における評価は高いです。
直近の評価テストの結果がこちら。
保護テスト
第三者評価機関のAV-Comparativesで2020年9月に実施された、マルウェア保護テストでは以下の結果となっています。
オフライン検出率 | オンライン検出率 | オンライン保護率 | 誤警報 | |
アバスト | 92.0% | 99.4% | 100% | 10 |
この結果よりアバストは、保護率と誤検知レベルにもとづいたランキングとして、★3つの賞(最高ランク)をもらっています。
これは、ESET・カスペルスキー・マカフィーなどの有料ソフトと同じ評価です。
そのため、AV-Comparativesからの評価も高く、「ウイルスやその他のマルウェアをリアルタイムで検出・ブロック」の性能については、まったく問題ありません。
パフォーマンスのテスト
ただしパフォーマンスについては、アプリケーション起動やファイルのダウンロードが遅くなるといった評価があり、悪くはないのですが良くもない結果です。
そのため、★2つの賞となっています(ESET・カスペルスキー・マカフィーは★3つ評価)
第三者評価機関:AV-Testの評価
AV-Test からの評価を解説します。
こちらの結果も同様に、ウイルス対策における評価は高いです。
保護テスト
第三者評価機関のAV-TESTによる、2020年7月から8月に実施された製品レビュー・認証レポートでも、100%の保護率を発揮して、トップ商品ラベルも取得しています。
パフォーマンスのテスト
AV-Comparativesの評価同様に、パフォーマンスは芳しくありません。
Webサイトの表示や、アプリケーション起動が、業界平均より遅くなる傾向があります。
実際のアバストを使った人の口コミやレビュー
実際にアバストについて、SNSの評価を見てみましょう。
このような口コミがあり、保護状況については話題となっていないのは、問題ないからといったところでしょうか。
また、無料版から有料版へのポップアップ誘導が「うざい」との声が多いですね。
アバストのメリット・デメリットと向き不向き
アバストの第三者評価機関の結果。口コミなどからのメリット・デメリットをまとめてみました。
メリット
- 無料プランがあり、永久に無料で使い続けられる
- 自分や家族が使っているパソコンに、何台でも無料でインストールできる
- 第三者評価機関でも保護率の評価が高く、ウイルス対策はまったく問題ない
- 世界No.1シェア と安心できる(日本では利用ユーザー少ない?)
アバストは無料プランでも、ウイルス対策の性能が高いのが一番のメリットですね。
デメリット
- 無料版だと、ウイルス保護機能のみに制限される
- フィッシングサイトや機密サイトでの情報漏えい防止機能がない
- PC 潜入やウェブカメラのぞき見が防げない
- パフォーマンス評価が高くない
- Webサイト表示やアプリケーション起動が遅くなる = PCが遅くなる
- 無料版で使うと、有料版への誘導が多い
- 意図しない操作で有料版にアップデ―トしてしまう場合もある
- 無料版だと、サポートフォーラム上でしか質問できない
- メールや電話でのサポートができない
- 有料版は高い
- 買うなら他の有名メーカーの方が割安
デメリットもそれなりにあります。
向き不向き
アバストは、以下のような人にうってつけのソフトになります。
アバストの無料アンチウイルスに適している状況
- 多少PCが遅くなってもいいが、ウイルス対策ソフトにそこまで費用をかけられない
- 有料版購入までの一時しのぎ
- 必要最低限の機能として割り切った使い方ができる
- ネットサーフィンなど、ちょっとしたことにしかPCを使わない
- 自身で危機管理能力があり、フィッシングサイトや怪しいメール・サイトを判断できる
- サポートにはあまり期待していない
無料版に全てを求めてはいけませんね。
アバストの無料アンチウイルスに適さない状況
逆に、アバストの無料版に向かない人は
- 最低限の機能しかないので、ネットショッピング愛好者やヘビーユーザーには向かない
- ウイルス対策ソフトを頼りっきりにしたいと思っている
- フィッシングサイトなどでパスワードの情報漏えいを防ぎたい人
- PC 侵入などで絶対にPCを壊されたくない。
- ウイルス対策ソフトを入れても、PCの性能を落としたくない人
となります。
鉄壁な安全対策を求める人には有料版。もしくは他のメーカーの製品をオススメします。
アバストの無料ウイルス対策ソフトのまとめ
永久無料で使えるアバストのまとめです。
アバストの無料アンチウイルスは、第三者評価機関の結果も最高ランキングと、問題なく使える性能です。
必要最低限の機能として割り切った使い方ができる方にはうってつけの選択です。
まずは無料版を使って、操作性や自身の行動との相性をみて、そのまま有料版へアップグレード。もしくは他メーカーの有料版を検討。といったキッカケにもできます。
せっかく永久無料ですので、迷っている人はぜひお試しください。